大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和23(れ)1593 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人吉田三市郎、同庄司卓蔵上告趣意第一点について。

改正前の刑法第五五条の連続一罪を構成すべき数多の行為を判示するには、各個

の行為の内容を一々具体的に判示することを要せず数多の行為に共通した犯罪の手

段、方法その他の事実を具体的に判示する外、その連続した行為の始期、終期、回

数等を明らかにし、且つ財産上の犯罪で被害者又は贓額に異同があるときは、被害

者中或る者の氏名を表示する外、他は員数を掲げ、贓額の合算額を表示する等これ

によつてその行為の内容が同一罪質を有する複数のものであることを知り得べき程

度に具体的であれば足るものであることは、当裁判所の判例とするところである(

昭和二二年(れ)第九二号、同年一二月四日第一小法廷判決、昭和二三年(れ)第

七六三号、同二四年二月九日大法廷判決)、そして、本件は、物価統制令違反であ

る統制額を超えた買受けと販売の各連続した数個の行為の判示に関するものである

が、原判決の事実判示は大体において前記判例の趣旨を充足する程度の具体性をも

つているから、判示の方法が違法であるということはできない。原判決に挙げてい

る証拠を当つてみれば判示の各行為の内容は一々具体的に判明するわけであり、且

つ判示事実の認定は当裁判所でも肯認し得るところである。論旨は、それ故に採用

し難いのである。

同第二点について。

公判廷における被告人の自白は、憲法第三八条第三項等にいわゆる自白中に含ま

らないと解すべきことは、当裁判所の判例とするところである。 (昭和二三年(

れ)第一六八号、同年七月二九日大法廷判決)。論旨はそれ故に理由がない。

よつて旧刑訴第四四六条に従い主文のとおり判決する。

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この判決は、第二点に関する沢田裁判官の少数意見(前掲判決中にある)を除き

裁判官全員の一致した意見である。

検察官 宮本増蔵関与

昭和二四年四月一四日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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